Amazonで充電器やUSBハブを探すと、上位に必ず出てくるブランドがあります。
緑色のロゴの「UGREEN」。
評価は星4以上、レビューは数千件、値段はよく知っている国内メーカーの2〜3割安。
……でも、「UGREENって、どこの国の会社?」
まず読み方は「ユーグリーン」と読みます。
ただ、検索してもすっきりした答えが出てこなかったのではないでしょうか。
「中国の会社です、でも品質は良いです」と書いてある記事はたくさんあるのに、その根拠がどれも曖昧で、読み終えても安心しきれない。
僕も同じところがスタートラインでした。違ったのは、そこから先です。
会社の登記、証券取引所に出ている決算書類、国の認証データベース、事故情報のデータベースまで、確認できるものを全部確認しに行きました。
その上で3製品を自腹で買い、箱と説明書と本体を隅々まで読みました。
先に、調べ終えた僕の実感を書いておきます。
あなたが不安になるのは、あなたのせいではない。会社が説明していないからだ。
この記事の根拠は、証券取引所の開示書類、国税庁の登記情報、総務省の認証データベース、消費者庁とNITEの事故データベース、そして自腹で買った実物です。
ネット上にある誰かの伝聞は信用せず、出どころは本文の各所に書いてあるので、疑わしいと思ったら同じ手順でご自身でも確認できます。

この記事の歩き方
- 結論
- どこの国の会社か/日本法人の実体
- 公式が説明していないこと/サクラは本当か
- 安全性は大丈夫か(PSEと技適)/発火・危険性の記録
- 壊れた後どうなるか(保証と窓口)/メーカーに問い合わせた記録/NASの疑惑
- 名前で買うな、型番で買え/手元にある3製品/他社とどう違うか
- FAQ/まとめ(買っていいのか)
結論|会社の実体は本物。弱点は製品ではなく「説明」にある
Q. 結局、UGREENは信用していいの?
A. 「事実」と「評価」を分けて答えます。事実として、会社の実体は公開資料で確認できました。中国・深センの上場企業で、売上も従業員数も公表されており、日本法人も実在します。安全認証(PSEと技適)も、手元の実物で確認できました。
そこまで確認して分かったのは、この会社の弱点は製品でも実体でもなく、「説明」だということです。
- 保証の説明は、同梱の冊子に英語で1行だけ。日本語の説明は公式サイトにあるが、製品からそこへの案内がない
- 電波の認証(技適)を取っているのに、公式サイトにその説明が見当たらない
- 同じ製品なのに、Amazonと箱と説明書で商品名が違う
つまり、不安になる要素は、疑り深いからではありません。
確認すれば分かることを、会社が説明していないからです。
この記事では、その「確認すれば分かること」を全て整理します。

整理のために、評価する対象を3つに分けます。この記事の全体もこの順で進みます。
| 見る場所 | 調べた結果のひとこと |
|---|---|
| ① 会社の実体 | 堅い(上場企業・実数が公開されている) |
| ② 情報発信・サポート | 案内は不足している(ここが不安の発生源)。ただし実測では、聞けば土曜でも1時間44分・日本語で返ってきた |
| ③ 製品そのもの | 型番で選べば良い(名前で選ぶと混乱する) |
なぜ3つに分けるのか。
「UGREENは大丈夫か?」を探しても、答えが一生出ないからです。
会社は堅いのに商品名は表記が揺れており、認証は本物なのに保証の説明は英語だけ。
良い話と悪い話が1つのブランドに同居しているので、まとめて聞くと「人による」としか言えなくなる。
分けて見れば、それぞれにはっきりした答えがあります。
この記事は、自分で判断できるだけの材料と、買う場合の具体的な手順(型番の見方・保証の窓口)を、最後まで読めば持ち帰れるように整理しました。
急いでいる方は、最後の「まとめ」の5手順だけでも情報として足りると思います。
どこの国の会社か|中国・深センの上場企業

Q. UGREENはどこの国の会社?
A. 中国・深センの会社です。2012年3月設立、2024年7月に深セン証券取引所に上場しています。ここは推測ではなく、証券取引所の公開書類で確認できる事実です。
拠点の深センは、世界の電子機器メーカーが集中する生産と開発の中心地です。
あなたのスマホ周辺機器も、ブランドが何であれ、この街とその周辺で作られている可能性がかなり高いです。
UGREENはその深センで2012年に生まれ、14年の歴史がある会社です。
上場企業には、年に一度、経営の数字を細かく開示する義務があります。
UGREEN(正式には深圳市緑聯科技股份有限公司、英文名 Ugreen Group Limited)の年次報告書は全226ページ。
そこから実数を拾いました。
| 項目 | 内容(2025年年次報告書より) |
|---|---|
| 設立 | 2012年3月・中国 深セン |
| 上場 | 2024年7月26日 深セン証券取引所の創業板(新興企業向けの市場。証券コード301606)。2025年12月に香港上場を発表、2026年2月に申請済み |
| 売上 | 94億9,100万元(前年比+53.83%)※約2,211億円 |
| 純利益 | 7億500万元(+52.42%)※約164億円 |
| 従業員 | 5,097人 |
| 販売網 | 約73カ国。海外売上が5割超。日本ではビックカメラ・ヨドバシカメラにも導入 |
※円換算は執筆時点(2026年8月1日)のレート(1元=約23.3円)で換算した概算です。レートは変動します。
数字の規模感を日常に引き寄せると、年商は日本円で千億円を大きく超え、それでいてなお年5割成長を続けています。
日本でもビックカメラやヨドバシカメラの店頭に並んでいる。
つまり「聞いたことがないから小さくて新しい」ではなく、「大きいのに、日本での知名度だけが遅れてやってきた」会社です。
この非対称が、そもそもの違和感の正体だと僕は思います。
少なくとも「実体のよく分からない怪しい会社」ではありません。
明日倒産して保証が消える心配を第一にする段階の会社でもない。
ここは安心材料として、はっきり明示できます。
もう1つ、上場企業であること自体に意味があります。
決算をごまかせば証券取引所と規制当局が相手になる立場だ、ということです。

個人が「売上◯億」と自称するのとは、数字の重みが全く違います。
本記事で使用する会社の数字は、すべてこの開示書類で確認しております。
ただし、正直にまとめるべき点も見つけました。
年次報告書には、製造は「外注調達が主、自社生産が従」と明記されています。
つまり製品の多くは、自社工場ではなく委託先の工場で作られています。
これは家電業界では珍しいことではありませんが、「自社工場だから安心」という説明は成り立たない、ということでもあります。
品質を決めているのは工場の看板ではなく、どの工場に作らせ、どう検品するかという管理の質です。
そしてその答え合わせは、後半の「事故の記録」と「実物」でまとめます。
📌 ここまでのサマリ: UGREENは深センの上場企業。売上・利益・従業員数まで公開されており、実体は堅い。ただし製造は外注が主。「どこの国か」の答えはこの章で出たので、ここからは「で、信用できるのか」を分解します。
日本法人の実体|2023年にできた、10人規模の若い会社
Q. 日本法人はあるの?
A. あります。「株式会社ユーグリーン・ジャパン」。ただし、その素性は親会社とはだいぶ印象が違います。
日本に法人があるかどうかは、噂ではなく登記で確認できます。
国税庁の法人番号公表サイトは、会社名を入れれば誰でも無料で確認できる公開データベースです。
そこから分かることを整理します。
- 法人番号の指定は2023年4月7日。日本法人は「設立3年目」の若い会社です
- 所在地は世田谷区成城から千代田区飯田橋(2024年8月)を経て、現在は中央区東日本橋(2026年3月移転)
- 社会保険の記録から分かる被保険者数は10人です

ここで1つ、ネット上に流れている情報の訂正をします。
「UGREENの日本法人は2012年設立」と書かれた記事を見かけますが、これは誤りです。
プレスリリース配信サイトの会社概要欄に「設立2012年03月」とあるのは中国親会社の設立年で、日本法人の設立は2023年。
10年以上の開きがあります。
誤解のないように書くと、10人規模であること自体は責められる話ではありません。
海外メーカーの日本拠点はどこも最初は小さい。
ただ、「グローバルで5,000人の会社」と「日本で10人の会社」のどちらの顔を想像するかで、サポートへの期待値は変わるはずです。
では、その体制のサポートは実際にどう応答するのか。
この記事の後半で、実際に問い合わせて確かめています。
📌 ここまでのサマリ: 日本法人は実在する。ただし2023年にできた10人規模の会社。「2012年から日本にいる」わけではない。親会社の巨大さと日本体制の若さのギャップが、この後の話の伏線になります。
公式が説明していないこと|まず、都合の悪い話から
Q. 上場している会社で、堅い会社なのに何が問題なの?
A. 情報発信が言葉足らずなのです。ここからは、UGREENにとって都合の悪い話を先に整理します。
1つ目は、UGREEN自身が公表した、表示の不備です。
2024年10月、公式サイトに「モバイル電源 PB311の表示に不備があることが判明いたしました」というお知らせが出ました。
対応の中身は、正しい表示の新ラベルを作成して希望者に送付し、経緯をまとめた改善報告書のPDFをサイトに掲載する、というもの。
製品を回収する事態ではなく、表示の是正です。
先に良い面から言うと、隠さずに自ら公表し、報告書まで残したのは誠実な対応です。
問題を握りつぶす会社なら、このページは存在しません。
一方で、日本向けの製品表示でミスが起きる程度には、チェック体制が粗い会社でもある。
どちらか片方だけ見て「誠実な会社」「ずさんな会社」と決めるのではなく、両方をそのまま受け取るのがフェアだと思います。
2つ目は、もっと小さくて、もっと象徴的な話です。
公式サイトの会社紹介ページの中で、事業展開の規模が「130カ国以上」と「180以上の国と地域」の2通り書かれています。
別々のページではなく、同じページ内で、です。
おそらくどちらかが古い数字のまま放置されている。
50カ国分の食い違いに誰も気づかないまま、会社の顔であるページが公開され続けています。

順番について1つ、種明かしをします。
認証や事故記録といった安心材料より先に、この章を設けたのは意図的です。
都合の悪い話を記事の最後に小さく添えるレビューは、それだけで怪しさが出てしまう(実際、僕も「本当なのか?」と懐疑的にネット上の情報を見ていました)。
本記事では都合の悪い話を先に整理し、安心できるかは後から検証をつけて確かめる順番にしております。
事故のような重大な話ではありません。
ただ、この「細部の詰めの甘さ」は、このあと保証の説明や商品名の付け方で、もっと実害のある形で繰り返し出てきます。
本記事の背骨をもう一度整理すると、「あなたが不安になるのは、会社が説明していないから」。
その「説明していない」実例を、ここから積み上げて整理していきます。
サクラは本当か?|判定ツールの検証と落とし穴
Q. 「UGREEN サクラ」って出てくるけど、レビューは信用できないの?
A. 判定ツールを実際に使って確かめました。結論めいたことを先に言うと、「同じUGREENでも製品によって判定が割れる」が実態です。
サクラレビューの判定でよく使われるサクラチェッカーに、UGREEN製品を実際に通してみました。
| 通した製品 | 判定 |
|---|---|
| UGREEN USB-Cケーブル(60W) | サクラ度0%・「安全な商品です!」 |
| UGREEN 100W モバイルバッテリー(20000mAh) | サクラ度80%・「サクラに注意!」(内訳を見ると、評価分布・件数履歴の項目だけが95%) |


同じブランドで、安全判定と警告が両方出る。
つまり「UGREENはサクラ」とひとまとめに言える状態ではありません。
もう1つ、知っておくといい仕組みの話があります。
サクラチェッカーでUGREEN製品を調べると「このメーカーは公式情報が殆ど無い為〜」という警告文が表示されますが、これはレビューを分析した結果ではなく、機械的に生成される定型文です。
ここまで見てきたとおり、UGREENには公式サイトも日本法人も実在するので、この警告文の前提は現状と噛み合っていません。
また、ネット上では「このツールは中華系ブランドに一律で高いサクラ度が出る傾向がある」という指摘もあります(個人ブログの検証ですが、有名どころの中華系ブランドが軒並み90%台、国内系の大手が0%だったという結果があります)。
ツールの仕組み上の癖として、頭に入れておく価値はあります。
数字の読み方も1つ補足します。
「サクラ度99%」という表示は「レビューの99%がサクラ」という意味ではありません。
あくまでツールが複数の間接指標から機械的に推定したスコアで、個々のレビューの真偽を判定したものではない。
この読み違いが、数字の印象を実態より重くしています。
では白なのか、問われるとそこまでは明言できません。
僕が確認できたのは「公的機関の指摘や、Amazonによる摘発といった一次情報は見つからなかった」ところまでです。
サクラの証拠も、潔白の証明も、どちらもない。それが明確な現在地です。
整理すると、「UGREENだから」でまとめて判定するのをやめて、買いたいその製品のレビューを低評価から読む。
星1〜2のレビューは動機の面でサクラが混ざりにくく、その製品の弱点が具体的に書かれていることが多い。
ツールは製品単位の参考情報として使う。
ブランド単位の白黒より、その方がずっと精度が良いと思います。
📌 ここまでのサマリ: サクラ判定は製品で割れる。固定の警告文はレビュー分析ではなく機械生成の定型文で、現状と噛み合っていない。公的な摘発の記録は見つからず。判定は「ブランド単位」でなく「製品単位」で。
安全性は大丈夫か?|PSEと技適を実物3台で検証してみた
Q. 法律的な安全基準はクリアしているの?
A. 手元の3製品で確認できました。
コンセントに挿すもの:PSEマーク
日本では、コンセントに挿す電気製品は国の安全基準(電気用品安全法)を満たした証としてPSEマークが必要です。
マークには2種類あって、丸形は一般の電気製品、ひし形は「構造上、特に危険が生じやすい」とされる区分に義務づけられた、より厳しい方のマークです。
ACアダプタや充電器は後者、つまりひし形が必要な区分にあたります。
もう1つ大事なのは、PSEマークの隣には「届出事業者」、つまり日本の法律上この製品に責任を持つ事業者の名前を表示する決まりがあることです。
マークだけでなく、名前とセットで見る。ここが確認のポイントです。
手元のUGREEN 65W充電器を確認すると、ひし形PSEマークがあり、その届出事業者として「株式会社ユーグリーン・ジャパン」の名前が、本体と箱の2箇所に印字されていました。
前の章で登記を確認した、あの日本法人です。
法律上の責任主体が日本にいる、ということを実物で確認できたことになります。

電波を使うもの:技適マーク
もう1つ、電波を使う製品(Bluetooth機器など)は、国の認証(いわゆる技適)を受けないと日本で合法に使えません。
この認証の記録は、総務省のデータベースで誰でも検索できる形で公開されています。
検索してみると、UGREEN関連の登録は全部で199件ありました。
そして手元のスマートタグ(Finder Slim 2)の箱裏と本体裏には、技適マークと「217-252708」という番号が刻印されています。この番号をデータベースで引くと、確かに実在しました。
2025年11月付で認証を受けた記録です。


確認した場所と手順(再現できるように書いておきます)
総務省「技術基準適合証明等を受けた機器の検索」で、氏名又は名称に「UGREEN」と入れて検索すると199件が表示されます(2026年8月1日時点)。手元の製品は「UGREEN Finder Slim 2 ; CM920」の名称で、認証番号217-252708として登録されていました。姉妹機のFinder Slim 3(CM921)も同日付・217-252707で登録されています。誰でも同じ手順で確認できます。
せっかく取った技適を、公式サイトは説明していない
ここで冒頭の話に戻ります。
PSEも技適も、UGREENはちゃんと取っている。なのに、公式サイト内を検索しても、技適について書かれたページは1つも出てきませんでした。
「安全性が気になるなら実物のここを見てください」という案内も、見当たりません。
「ugreen 安全性」と調べても、すっきりした答えに辿り着けなかった理由がこれです。
答えは存在するのに、会社が説明していない。宣伝としても損をしていると思います。
「国の認証を全部取っています。実物のここで確認できます」と1ページ書くだけで、不安は払拭できるからです。
というわけで、代わりにここにまとめます。
届いたときの安全チェックは30秒で終わります。
- コンセントに挿す製品:本体の「ひし形PSEマーク」と、隣の日本の事業者名を見る
- Bluetoothなど電波を使う製品:箱裏か本体の「技適マーク」と番号を見る
この2つが実物にあれば、日本で合法に売るための安全認証は満たしています。
逆に、どちらも見当たらない無名品は(UGREENに限らず)避けるのが賢明です。
📌 ここまでのサマリ: ひし形PSE+日本法人名、技適199件+手元の番号217-252708。法律上の安全認証は実物で確認できた。ただし公式サイトにその説明は見当たらない。見るべき場所はPSEマークと技適マーク。
発火・危険性の記録はあるか?|国の事故データベース「0件」の正しい読み方
Q. 発火とか、事故の報告はないの?
A. 国が集めている製品事故の記録を検索したところ、0件でした。ただ「0件」は、検索がうまく動いていないだけかもしれない。そこで「モバイルバッテリー」という言葉で同じ検索をして、そちらは478件きちんと出てくることを確かめました。その上での0件です。
正確に書くと、これは「事故が一度もない」という意味ではなく、「公的データベースに登録された事故・リコールが見つからない」という意味です。
届け出に至らない軽微な不具合まで拾える仕組みではありませんし、日本での販売数が国内大手より少ない分、母数の差も割り引いて読む必要があります。
それでも、発火や重大事故のような「何かあれば必ず記録が残る種類の出来事」について、その記録が残る場所に何も残っていない。
現時点で確認できる範囲では、良い材料と言っていいはずです。
ちなみに会社の章でまとめた深セン証券取引所の年次報告書にも、リコールに相当する語は一度も出てきませんでした。
国内の公的DB、米国の公的DB、本国の開示書類。3つの独立した場所で同じ「見つからない」のが揃っています。
確認したデータベースと結果の一覧
- 消費者庁 リコール情報サイト:「UGREEN」0件・「ユーグリーン」0件
- NITE(製品評価技術基盤機構)事故情報検索:「UGREEN」0件・「ユーグリーン」0件。対照として「モバイルバッテリー」で検索すると478件ヒット(=検索システム自体は機能している)
- 米国CPSC(消費者製品安全委員会):UGREENのリコールなし
- 深セン証券取引所の年次報告書(全226ページ)にも、リコールに相当する語は0件
いずれも2026年8月1日時点。
壊れた後どうなるか|保証と窓口の実態
Q. 「壊れやすい」って検索結果に出てくるけど、実際どうなの?
A. 壊れる確率のデータは、誰も持っていません。それより先に確認すべきなのは「壊れた後、日本語で連絡がつき、交換されるのか」です。
WEB上の多くの情報を読むと「すぐ壊れた」という声も「問題なく使えている」という声も両方あります。
これはどのメーカーでも同じで、メーカー横断で故障率を比べられる公開データは見つかりませんでした。
だから答えは「分からない」です。
ただし、壊れる確率が分からなくても、壊れたときの備えが整っているかは調べられます。
この章は、その「備え」を実物と公式サイトの両方から整理した記録です。
保証は「ある」。ただし英語で1行だけ
3製品の同梱物を全部読みました。保証について書かれていたのは、「User Instruction」という小さな冊子の中の、英語の1行だけです。
Warranty Information — A limited 2-year warranty applies to all UGREEN products purchased from UGREEN official store or authorized sellers. Please feel free to contact us if you run into any problems.
訳すと「公式ストアまたは正規販売店で購入されたすべてのUGREEN製品に2年間の限定保証が適用されます。問題があればお気軽にご連絡ください」。

問題は中身より、その扱いです。
- この冊子の正体は各国の規制表示を集めた冊子で、収録は12言語。日本語は1文字もありません
- 箱にも、本体にも、日本語ページのある取扱説明書にも、保証の記載はゼロ
- 「contact us」とあるのに、実物には連絡先が書いていない。URLも、メールアドレスも、電話番号も、QRコードも、箱と本体と同梱の紙を隅々まで見ましたが、実物のどこにもありません
- 保証条件の「official store or authorized sellers(公式ストアか正規販売店)」がどの店を指すのかも、書いていません
一方で、フェアに書くべきことも見つけました。
安全に関わる注意書きは、きちんと日本語に訳されています。
たとえばタグの電池についての警告は「電池を飲み込んだ場合、わずか2時間で重度の体内火傷を引き起こし、死に至る可能性があります」とはっきり日本語で書いてある。
訳す気がないのではなく、訳している箇所もある。
なのに保証の話は英語のまま。
優先順位の付け方が、ユーザーの知りたい順と噛み合っていないのです。
ついでに、その日本語訳の精度も一枚岩ではありません。
充電器の日本語マニュアルには「製品のリモコンにはボタン電池が含まれています」という一文が出てきます。
この充電器にリモコンはなく、おそらく複数の製品で注意文を使い回した結果だと思われます。
命に関わる警告は正しく訳し、関係のない定型文が紛れ込み、保証は英語のまま。
翻訳の体制が「仕組み」ではなく「その都度」で回っている気配が、こうした細部から透けて見えます。
結局、故障時の連絡先はどこにあるのか?(実物に記載なし)
では壊れたらどこに連絡するのか。実物から分かったのは1つだけでした。
ハブの説明書の最終面「After-sales」に、Amazonでの連絡手順が3ステップで書いてあります。
- Amazonアカウントにサインインし、[ご注文]に移動
- [注文に関する問題]を選択
- 「出品者に連絡」から送信

16言語すべてが、この同じAmazon手順です。
つまり説明書には、楽天やヨドバシなどAmazon以外で買った場合の案内がありません。
もう1つ、この手順の連絡相手は「出品者」なので、正規の販売元以外(並行輸入の出品など)から買っていた場合、連絡がつく先はUGREENではありません。
入口で販売元を確認しておくことが、出口(壊れたとき)の保険を兼ねる構図です。
そして興味深いことに、公式サイトには問い合わせフォームがちゃんと実在します。URLはこちらです。
https://ugreen.jp/pages/contact
購入先の選択肢には18店舗(Amazon・楽天・ヨドバシ・ビックカメラ・ヤマダ・コストコなど)が並び、問い合わせ種別には「製品故障に関する問い合わせ」もある。
窓口として、まともに作られています。
ただし、続きが2つあります。
- このフォームのURLは、実物のどこにも書かれていません(箱にも、本体にも、同梱の紙にも)
- フォームは「購入前、製品仕様に関する問い合わせ」を選んでも「ご注文番号」の入力が必須。つまり、買う前の人は送信できません
窓口は存在するが、製品を手にした人がそこに辿り着ける導線がない。
「壊れやすいのか」を検索した人が本当に不安なのは壊れる確率ではなく、壊れた後に放り出されることのはずで、その不安への説明が一番手薄でした。
実は、公式サイトには全部書いてある(ただし、たどり着けない)
この記事を書きながら、公式サイトの中をさらに検索して見つけたことがあります。
ugreen.jpには、日本語の保証ページが実在します。
https://ugreen.jp/pages/product-warranty

タイトルは「UGREEN-24ヶ月製品保証」。
購入日から24ヶ月の保証が、日本語で、条件まで細かく書かれています。
購入する人に効果的な情報を3つに絞ると、こうなります。
- サポート窓口は公式の問い合わせページ。楽天市場で買った人には専用窓口(rakuten@ugreen.com)まで用意されている
- 申請に必要なのは有効な購入証明。正規販売店の注文番号、請求書、日付入りの領収書のいずれかで、状況により複数を求められることがあります
- 保証対象外の代表例も明記されている。誤用による破損(落下・水など)、第三者による修理、そして「不正な再販業者からの購入」。販売元を確認してから買うべき理由が、保証規定そのものに書いてあるわけです
FAQページ(https://ugreen.jp/pages/faq)にも、24ヶ月保証の案内が日本語であります。
つまり、日本語の詳細な説明は存在します。
問題はただ1つ、この保証ページもFAQも問い合わせフォームも、そのURLが実物のどこにも書かれていないことです(箱・本体・同梱の紙を全部確認した範囲では見つかりませんでした)。
本記事の背骨を、ここで少し言い直す必要があります。
この会社は「説明していない」のではなく、「説明を、製品に届けていない」。
情報は存在するのに、箱を開けた人がそこへ行く道がないのです。
隣の国では、できている|韓国の箱にはAS電話番号がある
これが「グローバル企業だから仕方ない」話ではないことを示す証拠が、実は同じ箱に印刷されています。
ハブの箱の側面には、韓国法人の名前と、韓国のアフターサービス用電話番号が明記されているのです。
日本には、同等の表記がありません(充電器のPSE届出事業者名を除く)。

やればできる。ただ日本ではやっていない。
日本法人の章で見た「日本体制は10人規模」という事実と重ねると、悪意ではなく、日本向けの整備がまだ追いついていないのだと僕は解釈しています。
ただ、買う側にとって大事なのは解釈より実際どうなのか、ということです。
本当に機能するのかを確かめるために、次の一手に出ました。
実際にメーカーへ問い合わせてみた|【実測】土曜1時間44分の記録
Q. 日本語のサポートは、本当に返ってくるの?
A. 送って確かめました。土曜日に出して、1時間44分で日本語の回答が返ってきました。ここからは、その一部始終の記録です。
何を聞いて、いつ返ってきたか
窓口が機能するかは、送ってみないと分かりません。
そこで公式フォームから、実際に問い合わせを送りました。
聞いたのは、実物と公式サイトを読み込んでも分からなかった2点。
保証申請の具体的な方法と、保証条件にある「正規販売店」の範囲です。
送信は2026年8月1日、土曜日の15時26分。正直、返信は早くて週明けだろうと思っていました。

しかし、返ってきたのは、同じ日の17時10分です。1時間44分後の土曜日に日本語で、です。
しかも後で知ったのですが、土曜のサポート営業は本来17時まで。
営業終了の10分後に届いた返信だったことになります。
差出人は「UGREEN カスタマーサポート」名義で、署名には株式会社ユーグリーン・ジャパンの名前がありました。
回答の中身も具体的でした。要点だけ引用します。
- 保証申請は、サポート窓口(support.jp@ugreen.com)への連絡で対応を開始する。必要なのは「ご注文番号」と「不良・不具合の状況(具体的な症状)」の2点。状況により写真や動画の提出を求められることがある
- Amazon.co.jpにおいて本製品を販売している正規販売事業者は「Ugreen Japan Co., Ltd」のみ
壊れたときに、何を、どこへ送ればいいのか。
本記事の最大の空白だった答えが、ここで初めて埋まりました。
念のため繰り返すと、この窓口と手順は、箱にも説明書にも書かれていません。
聞けば分かる。でも、聞かないと分からない。
メールの記録を見てみた|返信はどこから来たのか
届いた返信について、もう1つだけ確かめたことがあります。
メールには、いつ、どこから送られたかの記録が自動で付いています。
それを見ると、送信時刻は日本の時間帯ではなく、1時間ずれた時間帯(中国標準時)で記録されていました。
送信元の回線をたどると、中国・広東省、UGREENの本社がある省です。
技術的な確認内容(気になる方向け)
- 送信日時のヘッダーはUTC+8(中国標準時)表記で、受信記録にも「CST」と明記
- 送信元IPアドレスの登録情報(whois)は中国・広東省の通信事業者の回線
- 経由サーバーは中国の大手IT企業のメールサービス、メールソフトの記録も中国語版
- 送信ドメイン認証(SPF・DKIM・DMARC)は3つともPASS
いずれも受信メールのヘッダー実物から確認しています。
先に、大事なことを2つ書きます。
第一に、このメールはなりすましではありません。
送信元が本物かを確かめる仕組み(送信ドメイン認証)を3種類すべてパスした、正規のUGREENからの返信です。
第二に、サポートの返信が中国から来ること自体は、違法でも不誠実でもありません。
買った側としての実害はゼロです。
その上で、この記録は1つの答え合わせになっています。
日本法人の章の「被保険者10人」という数字が意味していたことが、ここで回収されました。
日本語で返ってきたこの返信は、少なくとも日本の外から送られている。
つまり、ネット上で揃って語られる「日本法人があるから安心」は、雑な言い方だったわけです。
でも、事実を順に並べ直してみてください。
土曜のうちに、日本語で、的確な回答が返ってきた。
買う側にとって大事なのは「日本にサポート拠点があるか」という看板ではなく、「実際に返ってくるか」という応答だったはずです。
応答で測るなら、このサポートは機能しています。
そして、メーカーは不備を認めた
問い合わせでは、前の章で見つけた不備、つまり保証の案内が英語のみであることと、実物に窓口への誘導がないことについても指摘しました。
回答の要点は、こうです。
- 「ユーザーマニュアルには日本語ページがなく、保証内容についても英語のみでのご案内となっており」「本窓口への誘導が不足しておりました」
- 「今後の製品には日本語での保証内容およびお問い合わせ先の案内を追加するよう、社内にて対応を進めてまいります」
実物で確認した不備を、そのまま認めて、改善に向けて対応すると答えた回答でした。
そしてこの「本窓口への誘導が不足しておりました」という言葉は、前の章の発見とぴったり重なります。
サイトには日本語の説明も窓口もあるが、足りないのは製品からの誘導。
メーカーが言っていたことは、実際にその通りでした。
勝ち負けではなく、淡々と、記録として残します。
この記事の背骨は「あなたが不安になるのは、会社が説明していないから」でした。
その一文に、続きが付きました。
聞いたら認めて、対応すると答えてくれた。
購入者が事前に知っておくべき「3つの対策」
ここまでの内容を、事前の対策3つにまとめ直します。
- 壊れたら、まず公式の問い合わせページ(https://ugreen.jp/pages/contact)へ。楽天市場で買った人は専用窓口 rakuten@ugreen.com(公式の保証ページに明記)。メールで直接送りたいなら support.jp@ugreen.com も使えます。伝えるのは「注文番号」と「不具合の具体的な症状」の2点(状況により写真・動画)。営業時間は月曜から金曜が午前10時〜午後7時30分、土曜が午前11時〜午後5時、日曜は対応なし(自動返信より)。これらの窓口も営業時間も実物には書かれていない情報で、この記事を読んだあなたはもう知っています
- Amazonで買うなら、販売元の欄を確認する。メーカー回答で正規販売事業者とされたのは「Ugreen Japan Co., Ltd」(時期によりAmazon.co.jp自身の直販になっていることもあります。2026年8月1日時点のハブがそうでした)。それ以外の出品者からの購入は避けるのが安全です
- 注文番号は保証申請の必須情報。注文履歴は消さずに残しておく
📌 ここまでのサマリ: 実物に保証窓口の記載はない。だが実際に問い合わせたら、土曜日に1時間44分で日本語の回答が来た。窓口=support.jp@ugreen.com。Amazon.co.jpの正規販売事業者はUgreen Japan Co., Ltdのみ。そして不備は認められ、対応を進めると答えてもらえた。
NASの疑惑|3つの情報レベルに分けると見通しが良くなる
Q. 「UGREENのNASは危険」って話を見たけど?
A. 僕はNASの実機を持っていないので、この章は公開されている記録の整理だけです。ただ、その整理だけでも「危険」という一言がどれだけ雑か分かります。情報を3つのレベルに分けます。
前提として、UGREENは近年NAS(ネットワークにつなぐデータ保存機。写真や書類を丸ごと預ける機材です)に参入していて、この分野では「中国メーカーに全データを預けて大丈夫か」という議論が海外で起きました。
調べてみると不穏な言葉が出てくるのは主にこの文脈です。
✅️レベル1:記録で確認できた事実。過去に、通信を暗号化するための「鍵」の管理でミスがあり、鍵の漏洩を理由に証明書を失効させた記録が残っています(2024年7月5日・証明書の公開ログで誰でも確認できます)。家の合鍵を落としたので鍵ごと交換した、に近い出来事で、対応自体は定石どおりですが、落としたこと自体は管理のミスです。また、脆弱性のデータベースには4件の登録がありますが、いずれもソフトウェア製品にありふれた種類の実装バグで、修正対象になる通常の範囲のものです。

✅️レベル2:懸念の指摘どまり。海外メディアが「中国のDNSサーバーへの問い合わせがあった」と報告しました。ただしこの検証は、宛先の詳細も転送量も記録していないとして手法自体に批判があり、UGREENからの回答もありません。クロともシロとも決められない状態です。
✅️レベル3:根拠が見つからないもの。「バックドアがある」「データが中国に送られている」という言説は、確認できる根拠が見つかりませんでした。
大事な注意を1つ。
「バックドアは確認されていない」と「安全である」は別の文です。
僕に書けるのは前者までで、後者は誰にも断定できません(これはUGREENに限らず、あらゆるネットワーク機器に言えることです)。
NASは性質上、写真も書類も全部預ける機材なので、気になる方は「外部からのアクセスを許可しない設定で使う」といった運用側の対策と組み合わせるのが現実的です。
最後に切り分けをもう1つ。
この章の話は「ネットワークにデータを預ける機材」に特有のものです。
充電器やハブやケーブルには、そもそも預けるデータがありません。
NASの疑惑を理由に充電器まで避けるのは、切り分けとしては雑すぎる。
逆に、NASを検討している方は、この章のレベル1〜2を自分の許容範囲と照らして判断してください。
名前で買うな、型番で買え|売り場ごとに商品名が異なる「表記の罠」
Q. 買うとしたら、何に気をつければいい?
A. この記事で一番実用的な教訓です。UGREEN製品は、商品名で選んではいけません。理由は、僕自身が引っかかったからです。
新しく外出用に購入したハブは、Amazonでは「Revodok 7in1」という商品名でした。
届いた箱の表には「Uno 8-in-1」。

一瞬、違う商品が届いたのかと思いました。7と8ですらズレている。
箱裏の印刷と本体と説明書は「8-in-1 USB-C Hub」、箱裏に貼られた日本語の商品シールは「8-in-1 Uno USB-C ハブ」。
1つの製品に呼び名が実質4種類あったことになります。


スマートタグはもっと徹底していました。
箱も、本体の刻印も、説明書も、総務省の技適登録も、iPhoneの「探す」アプリに表示されるモデル名も、全部「Finder Slim 2」。
なのに売り場に並ぶ商品名だけが「FineTrack Slim」です。
Amazonも、楽天のUGREEN公式店も。
実物と公的記録とApple公式の表示がすべて一致していて、売り場の名前だけが違う。


さらに調べると、「FineTrack Slim」という同じ商品名の製品は、日本に5つ存在します。
大手のITメディアですら記事中で製品を取り違えていました。
取材のプロが間違えるのだから、普通に買い物をする人が混乱するのは当たり前です。
そして混乱の実害は具体的で、別の製品のレビューを読んで買ってしまう。
別の製品の仕様を信じて買ってしまう。
「思っていたのと違う」の何割かは、たぶんこの名前の運用が作っています。
対策はシンプルで、名前ではなく型番で確認することです。
UGREEN製品の箱裏には必ずModel(型番)の記載があります。
CD・CMなどで始まる英数字がそれで、手元の3つで言えば、充電器はCD361、ハブはCM888、タグはCM920。
Amazonの商品ページでも、仕様欄か商品説明のどこかに型番が書かれています。
レビューや記事を照合するときも、買い物カゴに入れる前も、この英数字を見る。
本記事でも、ここから先は必ず型番を併記します。
念のために書くと、商品名がバラバラなこと自体は違法でも不正でもありません。
海外の製品ラインを日本の売り場に載せる過程で、名前の管理が追いついていないだけでしょう。
ただ、ここまで見てきた「詰めの甘さ」がここでも出ている、という話ではあります。
会社は名前を揃えてくれないなら、買う側が型番で自衛するのが早い。
📌 ここまでのサマリ: 商品名はAmazonと箱と説明書で食い違うことがある(実体験)。同名の別製品も存在する。選ぶ基準は名前でなく箱裏のModel番号。この1点だけで混乱の大半は消える。
実際に手元にある3製品|型番・価格・買う前に知っておきたい仕様
Q. で、実物の出来はどうなの?
A. 3製品とも2026年8月1日に自腹で購入して、開封し、使い始めたところです。長期使用の話はまだ書けません(それは今後の個別レビューに回します)。ここでは、箱と説明書と実物から確認できたこと、実際に挿してみて分かったことだけを書きます。
※価格は割引前のAmazon参考価格で記載しています。タグは楽天のUGREEN公式店とも同額、充電器は楽天では¥5,880と100円だけ差があります。ハブは楽天公式店と公式サイトに取り扱いがなく、Amazonのみの流通です。セールでここから下がることがあり、執筆時点(2026年8月1日)は3つともセール中でした(15〜29%オフ)。
① 65W充電器 UGREEN Uno RG(型番CD361)|¥5,980
ロボットの顔がついた65W充電器です。
デザインの話は個別レビューで解説予定ですが、本記事で確認すべきは出力の配分でした。
「65W」という数字は3つのポートの合計で、同時に挿すと分け合いになります。
取扱説明書6ページの図によると、3ポート同時なら配分は「USB-C1=45W/USB-C2=7.5W/USB-A=7.5W」。
つまり2番目、3番目のポートは7.5Wまで落ちます。
意外だったのは、C2+USB-Aの2台挿しでも両方7.5Wになること。
「2台なら半分ずつ」ではないんです。
この配分表は箱には書かれておらず、説明書を読んで初めて分かります。

7.5Wという数字だけ見ると不安になるかもしれませんが、実際に3台挿して使った体感は「遅すぎるというより、普通の充電」です。
ひと昔前のスマホ充電はみんなこのくらいでした。
ただ、15Wのワイヤレス充電などの急速充電に慣れている人が3台挿すと、ちょっと遅いなと感じるかもしれません。
なので運用はシンプルに決まります。
速さが要る1台(ノートPCや日中のスマホ)はC1の定位置へ。
残りの2ポートは、イヤホンやタグのような「寝ている間に満ちていればいい」機器の置き場にする。
僕はこの形で使い始めていますが、この使い分けなら実用上の不満は出にくい配分です。
安全面は安全の章で書いたとおり、ひし形PSE+株式会社ユーグリーン・ジャパンの届出表記を本体と箱で確認済みです。
② 8-in-1 USBハブ UGREEN Uno(型番CM888)|¥4,199
この製品には、買う前に知っておくべき仕様が1つあります。
USB-Aポートが3本ありますが、そのうち1本だけ速度が480Mbpsです(他の2本とUSB-Cは10Gbps)。
10Gbpsと480Mbpsの差は約20倍。
理論値で計算すると、転送の待ち時間はこう変わります(実際の速度は規格の理論値より落ちるので、あくまで比率の目安です)。
| 転送するもの | 10Gbps側 | 480Mbps側 |
|---|---|---|
| 1GBのファイル | 0.8秒 | 16.7秒 |
| 5GB(4K動画1本) | 4秒 | 1分23秒 |
| 50GB(撮影データ丸ごと) | 40秒 | 13分53秒 |
大事なのはここからです。
UGREENはこの速度差を隠していません。
本体の裏に「10Gbps 10Gbps 10Gbps 480Mbps」と、ポートごとにきちんと刻印してあります。
正直、ここまで書いてあるメーカーの方が少数派です。

なので、この製品(と、およそ全メーカーの多ポートハブ)を使うときのコツはこうです。
届いたら一度裏返して、どのポートが速いかを見る。
外付けSSDやカメラのデータ転送は速いポートへ、マウスやキーボードの受信機は遅いポートへ。
それだけで「なんか転送が遅い」ということの大半は防げます。
他の仕様は、HDMIが4K@60Hz対応、ノートパソコンを充電しながら使える給電ポート(PD対応)が最大100W(給電専用でデータ・映像は通しません)。
なお、型番はCM888です。
③ スマートタグ UGREEN Finder Slim 2(型番CM920)|¥3,699
Appleの「探す」ネットワークに対応した、カード型の紛失防止タグです。
「探す」ネットワークというのは、世界中のiPhoneが匿名の中継役になって、落とし物の位置を届けてくれるAppleの仕組みのことです。
AirTagと同じ土俵の製品を、カード型・4,000円弱で出してきた格好です(iOS専用・Android非対応)。
Amazonの商品名は「FineTrack Slim」ですが、前章のとおり実体はFinder Slim 2です。
まずセットアップ。中国メーカーのApple「探す」対応品が本当にすんなり動くのか、僕も半信半疑でしたが、結果は1〜2分で完了でした。
手順は6ステップです。
- 「探す」アプリを開く
- iPhoneの横で、本体のボタンを2秒長押し
- 「UGREEN Finder Slim 2」と接続ボタンが表示されるので接続
- 持ち物の名称を設定
- 絵文字を設定
- Apple Accountへの関連付けに同意し、完了
← 指で横にスクロールできます →

STEP1-2 「探す」アプリを開き、iPhoneの横で本体のボタンを2秒長押し

STEP3 「UGREEN Finder Slim 2」と出るので「接続」

STEP4 持ち物の名称を設定(例:財布)

STEP5 絵文字を設定

STEP6 Apple Accountへの関連付けに同意して完了
音を鳴らして探す機能の音量は、体感で結構大きいです。
目覚まし時計と同じくらいの感覚で、部屋の中で聞き逃すことはなさそうです(Amazonには100dBという数字がありますが、実物のどこにも記載がないため、ここは体感で書いています)。
厚みはカード型らしく薄く、長財布のカード入れにも、ミニ財布のカード入れにも収まりました。
使い道の本命はここだと思います。
丸型のタグは財布に入れるとかさばりがちですが、カード型ならカードを1枚足す感覚で済む。
「財布をなくす不安」に対して一番自然な形です。

注意点は3つ。
電池は非充電式で交換不可、寿命の「7年」は実物にも「理論値」と明記されています。
iPhoneの画面上で方向を示してくれる精密探索(UWB)については、公式に記載がありません(対応とも非対応とも書かれていないため、期待しないでおくのが安全です)。
技適は安全の章のとおり217-252708を実物と総務省DBの両方で確認済みです。
購入時の共通注意を1つだけ。
Amazonでは販売元の欄を確認してください(詳しくはまとめの手順2へ)。
見知らぬ出品者からの購入を避ける。
これだけで、保証まわりの不安の大半は消せます。
他社とどう違うか|「安い理由」の僕なりの答え
Q. 有名メーカーよりだいぶ安いけど、どこかで手を抜いているんじゃないの?
A. 中身の差は、専門家の分解検証を見る限り小さいです。削られているのは製品ではなく、別のところに見えます。
まず中身の話から。電子回路の専門家であるイチケン氏が、UGREENと大手メーカー、両社の30Wクラスの充電器を分解して比較した検証があります(出典:イチケン公式ブログの分解比較)。
ここは僕の出る幕がない領域なので、専門家の実測結果をそのまま引用させて頂きます。
電力の変換効率はほぼ互角。
検証の結論は「どちらもまともに作られていて、差は小さい。
価格で選んでいい」というものでした。
少なくともこの検証を見る限り、UGREENが中身で大きく手を抜いているようには見えません。
では、価格差の分はどこから来るのか。
この記事で確認してきた事実を並べ直すと、僕には答えが1つに見えます。
- 保証の説明が英語1行
- 実物に窓口の記載がない
- 商品名の管理がバラバラ
- 日本の体制は10人
削られているのは製品ではなく、「日本向けの説明とサポート体制」に見える、というのが僕の整理です。
もちろん外から見た推測を含むので、断定はしません。
ただ、この見立てで考えると、価格に納得して買う人と、手厚さを求めて別を選ぶ人の分かれ目がはっきりします。
もう1つ、老舗メーカーとの本質的な違いは「実績の種類」です。
「信頼できるメーカー」という言葉には、実は2種類の中身があります。
1つは、製品が壊れにくいこと。
もう1つは、問題が起きたときの後始末が上手なこと。
前者は分解検証や事故記録である程度確かめられますが、後者は実際に事が起きるまで分かりません。
長く日本でやってきたメーカーは、問題が起きたときに公表し、回収し、その進捗まで開示する対応を積み重ねて、2つ目の信頼を作ってきました。
UGREENは日本でまだその局面を経験していません。
事故の記録の章で見た「0件」は良い材料ですが、「問題が起きたとき、どう動く会社なのか」は未知数のままです。
老舗の価格には、この2つ目の信頼の分が乗っている。
UGREENの価格には、まだ乗っていない。
安さの対価は製品の質ではなく、「実績の蓄積がまだないこと」だと考えると、一番腑に落ちます。
📌 ここまでのサマリ: 分解検証では中身の差は小さい。価格差の正体は「日本向けの説明・サポート体制の薄さ」に見える(推測込み)。製品は割安に、体制は未成熟に。それを分かった上で選ぶのが正解。
よくある質問(FAQ)
Q. UGREENはどこの国の会社?
A. 中国・深センの会社です。2012年設立、2024年7月に深セン証券取引所に上場しており(証券コード301606)、売上・従業員数などの実数が公開されています。詳細は記事前半の会社の章にまとめています。
Q. UGREENの読み方は?
A. 「ユーグリーン」と読みます。日本法人の商号も「株式会社ユーグリーン・ジャパン」です。
Q. 日本法人はある?
A. あります。株式会社ユーグリーン・ジャパン(東京都中央区東日本橋)。ただし日本法人ができたのは2023年(法人番号の指定が2023年4月)で、社会保険の記録から分かる体制は10人規模です。「2012年から日本にある」という記述は親会社の設立年との混同で、誤りです。
Q. 怪しい会社ではない?
A. 実体は公開資料で確認できました。上場企業で、決算も従業員数も開示されており、日本法人も登記されています。「怪しい(実体が分からない)」という意味での不安は解消できます。ただし日本向けの説明・サポートの整備は発展途上です。その中身は記事本文をご覧ください。
Q. サクラレビューは本当?
A. 判定ツールを実際に使うと、同じUGREENでも製品によって「安全」と「注意」に判定が割れました。ブランド一括りの判定は実態と合いません。公的機関の指摘やAmazonの摘発といった一次情報も見つかりませんでした。買いたい製品のレビューを低評価から読むのが実用的です。
Q. 発火や事故の報告はない?
A. 消費者庁のリコール情報とNITEの事故情報データベースを検索した範囲では0件でした(対照検索で、データベース自体が機能していることも確認済み)。ただしこれは「公的な記録が見つからない」という意味で、「事故が絶対にない」という保証ではありません。なお発火リスクと直結する安全認証(充電器のひし形PSE・電波製品の技適)は、手元の実物で確認できています。確認場所は本文の安全の章をご覧ください。
Q. 保証はある?
A. 公式ストアまたは正規販売店での購入に2年保証があります。同梱冊子の記載は英語1行のみですが、公式サイトの保証ページ(https://ugreen.jp/pages/product-warranty)に日本語の規定があります。Amazonで買う場合は販売元の欄を確認してください。メーカーが正規販売事業者と回答しているのは「Ugreen Japan Co., Ltd」です。
Q. 問い合わせ窓口はどこ?
A. Amazonで買った場合は、注文履歴の「出品者に連絡」から(説明書記載の唯一の手順)。それ以外の店で買った場合は、公式サイトの問い合わせフォーム(https://ugreen.jp/pages/contact)が使えます。楽天市場で買った場合は、公式の保証ページに明記された専用窓口 rakuten@ugreen.com もあります。ただしフォームは注文番号が必須のため、購入前の質問は送信できません。故障・保証の申請なら、次のQのメール窓口が確実です。
Q. 壊れたとき、どこに連絡すればいい?
A. support.jp@ugreen.com にメールします。注文番号と不具合の具体的な症状の2点を伝えれば対応が始まります(状況により写真や動画を求められることがあります)。この申請手順はメーカーに直接確認した回答で、製品の箱にも説明書にも書かれていない情報です。楽天市場で買った場合は、公式の保証ページに明記された専用窓口 rakuten@ugreen.com へ。
Q. Ankerとどっちを買えばいい?
A. 専門家の分解比較(イチケン氏の検証)では、変換効率はほぼ互角で、中身の差は小さいという結果でした。差が出るのは価格と、日本でのサポート体制の厚さです。手厚い日本語サポートと実績を優先するなら老舗を、仕様と価格で選ぶならUGREENを型番指定で。どちらを選んでも「まともな製品」の範囲での比較です。
Q. どこで買うのが確実?
A. 家電量販店を含む正規の販売ルートで買えます(公式フォームの購入先選択肢にはAmazon・楽天・ヨドバシ・ビックカメラなど18店舗が並んでいます)。一番はっきりしているのはAmazonで、メーカー回答によると、Amazon.co.jpにおける正規販売事業者は「Ugreen Japan Co., Ltd」のみです。保証の条件が「公式ストアまたは正規販売店での購入」である以上、それ以外の入手経路(フリマ・並行輸入など)は保証が適用されるか個別に確認が必要です。
Q. UGREENのNASは危険?
A. 「危険」と断定できる根拠は見つかりませんでした。過去に暗号化の鍵管理のミス(証明書失効の記録あり)と、ありふれた種類の脆弱性登録4件は事実としてあります。「バックドア」説には確認できる根拠がありません。ただし「確認されていない」と「安全」は別物なので、大事なデータを預ける機材である以上、外部アクセスを絞る設定など運用側の対策との併用が現実的です。
まとめ|UGREENは買っていいのか?失敗しない「5つの判断手順」
「信用して良い」とは最後まで書けませんが、その代わり、分かれ目を1つと、手順を5つ整理します。
分かれ目は、価格差の正体をどう受け取るかです。
前の章で見たとおり、UGREENの安さの対価は製品の質ではなく、「説明とサポート導線の未整備」に見えます。
つまり、この記事に書いたこと(型番の見方・保証の条件・窓口の場所)を知ってさえいれば埋まる種類の弱点です。
それを「この程度なら自分で埋められる」と思えた方にとって、UGREENは割安な選択肢になります。

「壊れたときに窓口を調べて英語の保証条件と付き合うのは嫌だ」という方は、手厚さにお金を払って国内の老舗を選ぶのが正解です。
どちらも合理的な判断で、優劣はありません。
その上で、買う場合の手順がこの5つです。
この手順で選べば、UGREENの弱点(説明の言葉足らずさ)はほぼ回避できます。
- 名前でなく、型番で選ぶ。箱裏・商品ページのModel番号(CD361/CM888/CM920のような英数字)で製品を特定する。商品名は当てにしない
- Amazonなら、販売元の欄を確認してから買う。正規販売事業者は「Ugreen Japan Co., Ltd」(メーカー回答)。時期によりAmazon.co.jpの直販のこともあります。それ以外の出品者は避ける
- 届いたら、実物の認証マークを30秒だけ見る。充電器ならひし形PSE、電波製品なら技適マーク。この記事で見た場所そのままです
- 壊れたら、公式の問い合わせページ(https://ugreen.jp/pages/contact)へ。楽天購入者は専用窓口 rakuten@ugreen.com、メールで直接送るなら support.jp@ugreen.com(伝えるのは注文番号と症状の2点)。Amazonの注文履歴からも連絡できます。いずれも実物には書いていない情報なので、必要になりそうならこのページを保存しておいてください
- レビューを見るなら、その製品のレビューを低評価から。ブランド単位のサクラ判定より、製品単位の生の声
冒頭で分けた3つのレイヤーの、答え合わせも整理します。
| 見る場所 | この記事で確認できたこと |
|---|---|
| ① 会社の実体 | 深センの上場企業。売上・従業員は開示書類で確認。日本法人は2023年にできた10人規模 |
| ② 情報発信・サポート | 保証は英語1行・実物に窓口の案内なし・商品名が不統一。ただし問い合わせの実測は土曜1時間44分で日本語回答。窓口=support.jp@ugreen.com |
| ③ 製品そのもの | PSE・技適を実物で確認。公的な事故記録は0件。分解検証でも中身は大手と互角。型番で選べば良い |
最後に、背骨の一文をもう一度。
あなたが不安になるのは、あなたのせいではない。会社が説明していないからだ。
——そして、聞いたら認めて、対応すると答えてくれた。
説明の穴は、本記事でだいたい埋めたつもりです。
会社の実体は堅く、認証は本物で、製品は割安。
一方でサポートの導線は未整備で、日本の体制は若い。
そしてその未整備は、指摘すれば認めて対応を進めると答える程度には、まっとうに応答する。
僕自身は、それを全部知った上で3つ買い、いま机の上で使い始めています。
それが僕の答えですが、みなさまの答えは、それぞれの使い方と「何かあったとき自分で窓口まで動けるか」が決め手になります。
判断の材料は、本記事で整理できたと思います。
この記事が、UGREENの製品を前に手が止まったときの、判断の拠り所になれば幸いです。
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