Grabの使い方 完全ガイド|ベトナム10日間、全13回乗った僕が失敗込みで解説

ベトナムGrab完全ガイドのアイキャッチ。全13回の実測で解説

ベトナム旅行の準備で、航空券とホテルの次に不安になるのが「現地の移動」だと思います。
タクシーはぼったくられないか、言葉は通じるのか、日本のクレジットカードは使えるのか——。

調べるほど、在住者向けの情報と古い情報が混ざって、かえって分からなくなっていく感覚がありました。

僕は2025年11月、ハノイとホーチミンに10日間滞在し、移動のほぼすべてを配車アプリのGrabに任せました。
自分のカードで決済した乗車は全13回。
手元には13枚のレシートとカード明細が残っています。

ホーチミンの交差点を走る緑のジャケットを着たGrabBikeのドライバーたち
街の景色に緑のGrabBikeが溶け込んでいる。奥の看板は空港の乗り場の目印にもなるハイランズコーヒー

先に種明かしをすると、移動の不安は現地で頑張って消すものではありませんでした。

日本にいる間の「3つの準備」でほぼ消せるものでした。

それでも僕は、Grabを使いこなしていたつもりの旅の中盤、空港で白タクに捕まって現金30万ドン(約1,800円)を払っています。

この記事は、Grabの操作手順を延々と解説するガイドではありません。
13回分の実測データと1回の失敗談をもとに、「お金」と「通信」の不安を出発前に潰しきるための記事です。

3行サマリ

  • ベトナム10日間・全13回のGrab移動で、カードに請求された総額は4,165円。 市内の短距離移動は1回あたり平均約141円。移動費は「不安の対象」ではなく、旅の予算から見れば「誤差の範囲」でした。
  • 日本のクレジットカードには、例外なく4.0%の海外カード手数料が乗ります。 レシート13枚+カード明細13行の全26データポイントで検証済み。ただし13回分の合計で約163円=白タク被害1回(約1,800円)よりはるかに安い「ぼったくり対策の保険料」です。
  • 鍵は日本を出る前の3つの準備(通信・決済・アプリ設定)。 これさえ済ませれば、現地で使う注意力は「目的地の詰め」と「時間の余白」の2つだけに絞れます。

この記事の歩き方(目次)

  1. 結論|Grabがあればベトナム移動の不安は9割消える(例外が1つ)
  2. 失敗談|僕が空港で白タクに捕まり、現金で払った話
  3. 準備①通信|Grabはネットがないとただのアイコン
  4. 準備②Grabの支払い方法|カード登録が「ぼったくり対策の保険」になる理由
  5. 準備③アプリ設定|日本にいる間に済ませる登録(5分)
  6. 実践編|ハノイ・ホーチミンでのリアルな使い方
  7. 💡 Grabトラベルパスは買うべきか|損益分岐計算
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ|僕のベトナム移動・決済・通信の全装備

お急ぎの方は、「3つの準備」の最初の章から3章分だけ読めば、出発前の実務は完了します。

目次

結論|Grabがあればベトナム移動の不安は9割消える(例外が1つ)

Grabのロゴ

Q. ベトナムの移動って、実際どのくらい不安?

A. Grabが使える状態にしてから着けば、不安のほとんどは杞憂で終わります。 行き先はアプリの地図で指定、運賃は乗る前に確定、支払いは登録済みカードから自動。「言葉」「ぼったくり」「小銭」という三大不安が、構造的に発生しません。

まず、10日間、全13回の実測サマリから整理します。

実測|Grabに13回乗り、いくらかかったか

距離帯回数平均支払額
短距離(〜3km)6回約22,707ドン(約141円)
中距離(3〜10km)6回約45,413ドン(約282円)
長距離(10km〜・空港送迎)1回275,600ドン(約1,709円)
合計13回総額684,320ドン

※円換算は滞在時のカード明細の換算レート(1万ドン≒62円)ベース。金額はレシート表示額(海外カード手数料込み)。

市内のバイク移動(GrabBike)なら1回100〜300円
ハノイの空港からホテルまで約27kmを走った空港送迎ですら約1,700円です。

13回分として実際にカードへ請求された円額の合計は4,165円でした(レシート合計の円換算とわずかにズレる理由は、空港送迎の通行料の扱いにあります。決済の章で説明します)。

ベトナムGrabの距離帯別料金相場。短距離約141円、中距離約282円、空港送迎約1709円
市内移動は100〜300円台。空港送迎だけが別格で、その差は約12倍

正確に記載すると、これは「10日間の全移動費」ではありません。

僕のカードで決済したGrab移動(全13回)の請求が計4,165円。
海外カード手数料は13回合計で約163円です。

このほか、僕自身が現金で払った白タク被害の30万ドン(約1,800円)や、友人に払ってもらった乗車分もあるので、移動費の総額はもう少し大きくなります。

それでも、「測れた範囲の数字」だけで移動の相場観は十分つかめるはずです。

唯一の例外|「空港」だけは、アプリがあっても気を抜けない

ノイバイ空港に駐機するベトジェットエアの機体
国内線への乗り継ぎ。この日の空港で、僕は詰めの甘さの代償を払うことになります

ここまで読むと万能に見えますが、例外が1つあります。

空港です。

空港は声かけ白タクが集まる場所であると同時に、搭乗時間という締め切りが「焦り」を生む場所でもあります。
実は僕が捕まったのも、Grabが使えなかったからではありません。
Grabを使っていたのに、使い方の詰めが甘くて捕まりました。

次の章で、その一部始終を書きます。

📌 ここまでのサマリ: 市内移動は1回100〜300円、13回の請求合計4,165円。Grabが使える状態なら移動不安は9割消える。残り1割=「空港」が本記事の本題。

失敗談|僕が空港で白タクに捕まり、現金で払った話

Q. ぼったくりって、本当に遭うもの?

A. 遭いました。しかも、Grabを毎日使っていた旅の中盤に遭いました。 敗因はタクシー運転手の巧妙さではなく、「使い方の詰め」の甘さです。

ノイバイ空港の車寄せに並ぶタクシーと自家用車
ノイバイ空港の車寄せ。正規のタクシーに交じって、声をかけてくる車も紛れている

時系列|ハノイからホーチミンへの移動日に起きたこと

Grabアプリでノイバイ空港を検索した画面。T1が国内線、T2が国際線と表示される
Grabで「ノイバイ空港」を検索すると、T1(国内線)とT2(国際線)が別々に並ぶ。ここを取り違えた

ハノイからホーチミンへ、国内線で移動する日のことです。
Grabの目的地に「ノイバイ空港」とだけ入力して配車しました。
アプリが自動で設定したのはT2(国際線ターミナル)。

しかし、国内線の出発はT1(国内線ターミナル)です。

到着してから間違いに気づいたとき、搭乗時間は数十分後に迫っていました。
T1とT2の間はわずか1〜2km。

それでも「時間が足りない」という焦りから、目の前にいた白タクに乗ってしまいました。

結果、その1〜2kmに30万ドン(約1,800円)——通常料金の6〜10倍を現金で支払いました。
金額だけ見れば授業料としては安いほうです。

ただ、「落ち着いていれば1円も払う必要のなかったお金」だという事実が、なかなか堪えました。

この日の顛末と、旅全体で起きたトラブルの詳細は『ベトナム10日間のノマド実録』に書いています。
本記事では「なぜ捕まったのか」の構造だけ抜き出します。

敗因分析|白タクは「準備の隙間」に入り込む

あとから冷静に分解すると、敗因は2つです。

敗因あの日の状態本来の備え
目的地設定の粗さ「ノイバイ空港」とだけ入力→意図と違うターミナルへターミナルまで正確に指定+乗車時に運転手へ口頭確認
時間の余白搭乗数十分前に想定外の移動が発生空港には1.5〜2時間前着+無料シャトルの存在を知っておく

ここから引き出せる教訓は明快です。

白タクは「Grabを使えない人」だけでなく、「Grabを使っていても、焦りと隙のある人」を狙ってきます

だからこそ、日本にいる間に準備できることは全部済ませておき、現地で使う注意力は「目的地の詰め」と「時間の余白」だけに集中させる——これがこの記事の考え方です。

なお、白タク以外にも、Grabの配車画面に似せた画面を見せて正規を装う手口や、お釣りのやり取り中に財布から抜き取る手口も報告されています。

共通する対策は同じで、「自分のアプリで呼び、アプリ内で払うこと」に尽きます。

日本でやる3つの事前準備

「日本で済ませられる準備」とは、具体的にこの3つです。
1つでも欠けると、あの日の僕のような「焦る場面」そのものが増えます。

  1. 通信 —— 着陸した瞬間からネットが繋がる状態を作る(次章)
  2. 決済 —— アプリ内決済をカードで完結させ、現金が要る場面の調達手段も決めておく
  3. アプリ設定 —— Grabの登録・カード紐付けを日本で済ませる

ここから1つずつ、実測データ付きで解説していきます。

📌 ここまでのサマリ: 白タクは「準備の隙間」を狙う。日本で済ませられる準備(通信・決済・アプリ設定)を全部終えておき、現地の注意力は「目的地の詰め」と「時間の余白」に集中させる。

準備①通信|Grabはネットがないとただのアイコン

Q. Grabがあれば移動は安心?

A. ネットに繋がっていれば、安心です。 Grabは配車も決済も運転手とのやり取りも、すべて通信の上で動きます。到着直後にスマホが繋がらなければ、Grabはホーム画面のただのアイコンです。

ハノイ旧市街の路地裏で5G接続のGoogleマップを表示しているスマートフォン
ハノイ旧市街の路地裏でも5G。この状態を作れているかどうかが、Grabが使えるかどうかの分かれ目になる

僕の場合、通信環境だけは最初から準備できていました。

着陸してすぐGrabを開ける状態を作れたのはahamoのおかげです。
逆に言えば、もし現地でネットが繋がっていなかったら、焦る場面は空港の比ではなかったはずです。

通信の準備は、すべての安心を支える前提条件です。

選択肢はシンプルで、僕の周りの友人・知人でも次の2つに集約されています。

滞在スタイル最短ルート理由
15日以内の旅行・出張ahamoの海外ローミング申込不要・追加料金なし。着陸してローミングをONにするだけ
15日を超える滞在・ahamo非契約海外eSIM(Holaflyなど)出発前にアプリで開通準備まで終えられる

僕自身はベトナム10日間をahamoの海外ローミングだけで走り切りました。

到着日の夜、ノイバイ空港のロビーで機内モードを解除した瞬間に電波を掴み、そのままGrabで配車——空港からホテルまでの移動は、何のトラブルもなく完了しています。
実測の詳細は『ahamo海外ローミングの完全ガイド』にまとめています。

15日を超える長期滞在の方は、eSIMが現実解です。
料金体系と実測比較は『海外eSIM Holaflyの料金・評判ガイド』をご参照ください。

どちらを選ぶにしても、判断基準は1つだけです。

「着陸から5分以内にGrabが開けるか」
この条件を満たす手段なら、何でも構いません。

📌 ここまでのサマリ: 通信はGrabの生命線。2週間以内ならahamo、長期やahamo非契約ならeSIM。「着陸5分でGrabが開ける」状態を日本で作っておく。

準備②Grabの支払い方法|カード登録が「ぼったくり対策の保険」になる理由

Q. 日本のクレジットカードはベトナムのGrabで使える?

A. 使えます。僕は13回全部、日本発行のVISAカードで決済しました。 ただし知っておくべき数字が1つあります。海外発行カードには、例外なく4.0%の手数料が上乗せされます。

実測|「4%」はどこまで正確なのか、26個の数字を基に検証

ネット上では「Grabのカード払いに手数料はかからない」と書かれた記事も見かけますが、少なくとも2025年11月のベトナムでは違いました。

手元の一次データで検証します。

  • レシート13枚:すべてに「Foreign payment fee」(海外決済手数料)の行が明記
  • 検算:手数料 ÷ 手数料を除いた支払額 = 13枚全部が端数ゼロの4.000%
  • カード明細13行:請求されたドン額はすべて「元額 × 1.04」の整数解を持つ
Grabのレシート。Foreign payment fee 720ドンの行が記載されている
割引後18,000ドンに対して、Foreign payment feeはきっかり720ドン(4.0%)

たとえばプロモーション割引が効いた乗車では「割引後の18,000ドン」に対してきっかり4%の720ドン
レシート13+明細13=全26データポイントで、例外は1つもありませんでした。

ハノイでもホーチミンでも、バイクでも車でも同じです。

なお、レシートの手数料行には「Charged by Moca」とあります。
Mocaはかつてベトナムで展開されていたGrab系の電子マネーで、ウォレットサービス自体は2024年7月1日に終了しましたが、現在も決済インフラの名義として残っているようです。

「Mocaって何?」と不安になる必要はありません。

4%の手数料は高いのか|13回分で実額は約163円

「4%」と聞くと身構えますが、母数が小さいので実額は誤差です。

項目金額
13回の乗車額(手数料除く)658,000ドン
4%手数料の合計26,320ドン(約163円)
(参考)白タク被害1回30万ドン(約1,800円)

10日間フルにGrabを使って、手数料の総額は約163円。
白タク1回の被害の1割以下です。

なお、この4%はGrab側が上乗せするものです。これとは別に、カード会社の海外事務手数料(ショッピング利用にかかるもの・料率はカードによって異なります)も乗る点は、頭の片隅に置いておいてください。

僕はこの4%を「ぼったくり対策の保険料」と呼ぶことにしました。

カードを登録して正規ルートで乗る限り、金額交渉も釣り銭ごまかしも構造的に発生しない——その安心が、1乗車あたり数円〜数十円で買えている計算です。

レシートとカード明細は、ズレることがある

細かい話を2つだけ。実際に明細を突合して見つけた事実です。

1つ目は、空港送迎(通行料9,000ドンを含む乗車)だけ、レシートの合計とカードへの請求額が通行料分ズレていました。
答えは、乗車時にGrabから届いていたメッセージに書いてありました。

「ノイバイ国際空港の規定により、空港サーチャージとして最初の10分に9,000ドン、以降30分ごとに4,000ドンが加算されます。この料金は予約確定後に計算されます。正確な金額は運転手に確認し、乗車終了時に精算してください

つまりこの9,000ドンは、アプリの運賃とは別に、その場で運転手と清算する建て付けだったわけです。
レシートには乗車の記録として載り、カード請求からは外れる。
数字のズレは、この仕組みで説明がつきます。

GrabChatに届いた空港サーチャージの案内メッセージ
乗車時に届く案内。「運転手に確認して乗車終了時に精算」と書かれている
カード明細に表示されたGrabの請求。現地通貨額と換算レートが確認できる
カード明細側。予約IDと現地通貨額、換算レートまで残る

いずれにせよ、「レシートとカード明細は必ずしも一致しない」と覚えておくと、明細を見て慌てずに済みます。

2つ目は、カード明細の「GRAB*」の後ろには予約ID(Booking ID)がそのまま載るので、どの請求がどの乗車かをレシートと突合できます

これは身に覚えのない請求を疑うときに便利です。
ただし僕の明細では、1件だけIDの表記がレシートと一致しない例がありました。

金額と日付で照合すれば特定できるレベルなので、実害はありません。

現金が要る場面は、別ルートで備える

アプリ内決済はカードで完結しますが、ベトナムには現金しか通用しない世界が残っています。

屋台、市場、ローカル食堂——そして皮肉なことに、白タクに捕まった僕が払わされたのも現金でした。

夜のハノイ旧市街に並ぶナイトマーケットの露店
この規模の屋台は、今も現金だけの世界

僕の現金調達は、Wiseのデビットカードで現地ATMから必要な分だけ引き出す方式です。
両替所を探し歩く時間も、レートの良し悪しを見極める神経も使わずに済みました。

手数料の実測と銀行選びの注意点は『Wiseカードのベトナム10日間実証記事』にまとめています。

役割分担を整理すると、こうなります。

場面手段
Grab・ホテル・レストラン・コンビニアプリ内決済・カードのタッチ決済
屋台・市場など現金の世界Wise ATMで必要分だけ現地引き出し

僕のGrab決済はクレジットカード(三井住友カード ゴールドNL・VISA)で行いました。

上の4%実測もすべてこのカードの明細ベースです。

📌 ここまでのサマリ: 日本のカードは使える。4%手数料は例外なく乗るが、13回で約163円=白タク1回の1割以下の「ぼったくり対策の保険料」。現金が要る場面はWise ATMで別途調達。

準備③アプリ設定|日本にいる間に済ませる登録(5分)

Q. アプリの設定って、現地に着いてからじゃダメ?

A. 日本で済ませてください。理由は、現地では詰む可能性があるからです。 登録には携帯番号のSMS認証が必要で、日本の番号(+81)で受けるのが一番確実です。

日本で登録すべき2つの理由

  1. SMS認証の確実性 —— 登録時に届く認証コードは、日本にいれば普段のスマホでそのまま受信できます。現地到着後に慣れない通信環境でやるべき作業ではありません。
  2. カード登録のトラブル回避 —— 現地SIMの番号で登録すると、日本発行カードの紐付けで弾かれるリスクの報告があります。日本の番号で登録し、日本でカードまで紐付けておけば、この問題を丸ごと回避できます。

手順は3ステップだけ

  1. アプリを入れる —— App Store / Google Playで「Grab」をダウンロード
  2. 日本の携帯番号で登録 —— +81のSMS認証を受ける
  3. クレジットカードを登録 —— 支払い方法(Payment Methods)にカードを追加し、既定の支払い方法に設定

これだけです。所要5分程で完了します。

日本国内ではGrabの配車は使えませんが、登録とカード紐付けまでは問題なくできます。

Grabアプリの支払い方法画面。VisaとMastercardが登録済みの状態
日本発行のカードを登録した状態。画面は日本語表示、決済基盤の名義としてMocaの表記が残る
Grabアプリのアイコン

Grab:タクシーとフードデリバリー

公式アプリ・無料(登録は日本でOK)

補足|乗車履歴は「半年で消える」

乗車履歴はアプリの「アクティビティ」から確認できますが、古い履歴はアプリ上から見えなくなっていきます(僕の場合、半年ほど前の履歴はすでに遡れませんでした)。

Grabアプリのアクティビティ(乗車履歴)画面。半年前の履歴はすでに表示されない

一方、乗車のたびにメールで届くE-Receipt(電子レシート)は自分の受信箱に残り続けます。
経費精算や記録が必要な方は、Grabからのレシートメールを消さずに保管——これが確実です。

本記事の13回分の検証も、このメールレシートがあったから成立しました。

📌 ここまでのサマリ: 登録は日本で。+81のSMS認証+カード紐付けまで済ませれば、現地では開くだけ。履歴は消える前提でメールレシートを保管。

実践編|ハノイ・ホーチミンでのリアルな使い方

Q. 実際、現地でどう使い分けるの?

A. 短距離はバイク(GrabBike)、雨と荷物と複数人なら車(GrabCar)。 これが13回乗って落ち着いた使い分けです。

Car vs Bike|実測から見えた使い分け

13回の内訳は、バイク系10回(GrabBike 9回+GrabBike Plus 1回)、車系3回。

実測から見えた特徴です。

GrabBike(バイク)GrabCar(車)
相場(市内)約100〜300円バイクの1.5〜2倍程度
強い場面短距離・渋滞すり抜け・1人雨天・夜間・荷物あり・複数人
実測例1.87kmで17,680ドン(請求109円)5.03kmで60,320ドン(請求373円)

市内の数kmなら、バイクが速くて安い。
ハノイ・ホーチミンの渋滞をすり抜けていく感覚は、慣れると病みつきになります。

一方、スーツケースなどの大きな荷物があるときのバイクはおすすめしません

空港送迎や雨の日は迷わず車です。

ちなみに面白かったのは車両の所属表示で、ハノイ市内で「タインホア省所属」、ホーチミン市内で「ビンズオン省所属」のバイクに当たりました。

地方からの出稼ぎ車両が両都市に流れ込んでいるようですが、品質に差は感じませんでした。

運転手とのやり取り|GrabChatは定型文と地図ピンで乗り切れた

配車後、運転手とはアプリ内のGrabChatでやり取りできます。

僕が実際に使ったのは、合流場所の確認程度。
定型文の選択と地図のピン共有だけで、会話らしい会話をせずに13回の乗車が成立しました。

しかも翻訳は、こちらが何かを操作しなくても勝手に機能していました。
運転手から届いたメッセージには「翻訳済み」と表示され、必要なら「原文を表示」も選べる——翻訳機能を「使う」という意識すら必要なかった、というのが正直な実感です。

「英語も現地語もできないと詰むのでは」という不安に対しては、「ほぼ会話が発生しない」が実体験ベースの回答です。

運転手から届いたGrabChatの通知。合流場所を尋ねるメッセージが表示されている
運転手からの「which shope?(どの店?)」。やり取りはこの程度で、返信も定型文で足りる。上には「21:02までに乗車できなければ20,000ドンのバウチャー」の案内も出ている

空港のGrab乗り場|ノイバイ国際空港とタンソンニャット国際空港

空港は「どこで待つか」さえ分かっていれば、白タクの声かけを素通りできます。

ハノイ・ノイバイ国際空港(国際線) 国際線到着ターミナルの「柱8」が乗り場の目印です。
僕の空港送迎のレシートにも、乗車地点として「国際線の到着ターミナル – 柱8」がそのまま印字されていました。

Grabレシートの乗車地点欄。国際線の到着ターミナル 柱8 ノイバイ国際空港と記載
乗車地点として「国際線の到着ターミナル – 柱8」がそのまま記録されていた

Grab公式の日本語ページ(ノイバイ国際空港の乗り場案内)でも、柱8・柱11が乗車ポイントとして案内されています。
以下は、その公式ページに掲載されているノイバイ空港の到着ロビーから乗り場までの道順です。

← 指で横にスクロールできます →

STEP1 到着ゲートから「8番柱(Pillar 8)」へ向かう

STEP1 到着ゲートから「8番柱(Pillar 8)」へ向かう

STEP2 8番柱から横断歩道を渡ってピックアップポイントへ

STEP2 8番柱から横断歩道を渡ってピックアップポイントへ

STEP3 ピックアップポイントに到着。ここで配車を確定

STEP3 ピックアップポイントに到着。ここで配車を確定

画像引用: Grab公式サイト「ノイバイ国際空港の乗り場案内」

そして、空港「へ」向かう配車では、僕の失敗談の教訓を思い出してください。

目的地は「ノイバイ空港」ではなく、「Terminal 1(国内線)」「Terminal 2(国際線)」までターミナルを明示して指定し、乗車時に運転手へ「Terminal 1? 2?」と口頭でもひと言確認する。

これだけで、僕が払った30万ドンの授業料は丸ごと回避できます。

ホーチミン・タンソンニャット国際空港の国際線は、公式ページ(タンソンニャット国際空港の乗り場案内)で「国際線到着 – 駐車場エリア」が案内されています。
僕が実際に使ったのは国内線側で、乗り場はレーンD1でした。以下は、その公式ページに掲載されている国内線ターミナルから乗り場(レーンD1)までの道順です。

← 指で横にスクロールできます →

STEP1 国内線ターミナルから歩行者レーンへ向かう

STEP1 国内線ターミナルから歩行者レーンへ向かう

STEP2 歩行者レーンからハイランズコーヒーの方へ進む

STEP2 歩行者レーンからハイランズコーヒーの方へ進む

STEP3 ハイランズコーヒーの左側でレーンD1まで直進

STEP3 ハイランズコーヒーの左側でレーンD1まで直進

STEP4 集合場所はレーンD1の前

STEP4 集合場所はレーンD1の前

画像引用: Grab公式サイト「タンソンニャット国際空港の乗り場案内」

国内線は、航空会社によってターミナルが分かれる点に注意してください。

2025年4月に新ターミナルT3が開業し、ベトナム航空をはじめとする各社の国内線はT3へ移りました。ベトジェットエアだけは、いまも従来のT1発着です(2026年7月時点)。
僕が利用したベトジェットエア(T1)では、立体駐車場のレーンD1がGrab乗り場でした。

ここで1つ、公開前に確認して気づいたことがあります。
Grab公式ページのターミナル説明は、T3移管前の記述のままでした(「T1にベトナム航空・ベトジェットエア・バンブーエアウェイズが発着」と書かれています)。

つまり、乗り場までの道順は公式ページが正確ですが、自分がどのターミナルに着くかは航空券で確認するのが確実です。T3にも駐車場内にGrab専用の乗車区画があります。
運用は今後も変わる可能性があるため、最後は現地の「GRAB」掲示を頼りにしてください。

配車アプリXanh SMとBe|Grab以外も入れておくべきか

ベトナムの配車アプリはGrab一強ではありません。

VinFastの電気自動車で統一されたXanh SM(サインエスエム)、地場系のBeが有力で、調査によってはXanh SMの配車シェアがGrabを上回ったとするデータもあります(2025年第2四半期・Xanh SM 44.68%対Grab 36.08%)。

かつての有力プレイヤーGojekは2024年9月にベトナムから撤退しました。

僕も街中で、水色のXanh SMの車両とバイクを何度も見かけました。
実際に競争は激しいのだと思います。

街中を走る水色のXanh SMタクシー(VinFast製の電気自動車)
水色のXanh SM。VinFast製のEVで統一されていて、街中でもよく目立つ

その上で、日本から行く旅行者への回答はこうなります。

  • メインはGrabで組む —— 日本語圏の情報量、日本のカードで完結する決済、空港乗り場の案内の充実度で頭ひとつ抜けています
  • Xanh SMを使うなら現金の用意を —— 海外発行カードが登録できないという報告が多く、その場合は現金払いになります
  • Beも同様に「現地で試す枠」 —— 待ち時間や料金の比較用にはなりますが、出発前に準備しておく必然性は薄い

なお、作成から30日以内の新規アカウントに利用制限がかかったという報告も見かけました。

真偽は確認しきれませんでしたが、出発直前ではなく、余裕を持って日本でGrabアカウントを作っておく方針にしておけば、いずれにせよ安全です。

補足|最安の移動手段は、実はGrabではない

ホーチミンでは2024年開業の「ホーチミン・メトロ」にも乗りました。
カードのタッチ乗車で、実測は1回36〜104円

GrabBikeよりさらに安い、市内最安の移動手段です。

← 指で横にスクロールできます →

起点のベンタイン駅。1号線(L1)の表示

ベンタイン駅 起点のベンタイン駅。1号線(L1)の表示

行先表示は「Suoi Tien Terminal」。ホームドア完備

ホーム 行先表示は「Suoi Tien Terminal」。ホームドア完備

構内のパネル。青と白のHCMCメトロ車両

車両 構内のパネル。青と白のHCMCメトロ車両

ただし路線は限られているので、「路線が合う移動はメトロ、それ以外はGrab」という使い分けが現実解です。

移動の主役は、やはりGrabになります。

📌 ここまでのサマリ: 短距離はBike・雨と荷物はCar。空港はノイバイ「柱8」・タンソンニャットは公式案内+現地掲示を確認。Xanh SM/Beは現地で試す枠、メトロは路線が合えば最安。

💡 Grabトラベルパスは買うべきか|損益分岐計算

Q. Grabトラベルパスって何?買った方がいい?

A. 25,000ドン(約155円)で割引バウチャーの束が買える、旅行者向けの前売りパック(Grab Travel Pass)です。 僕は存在を知らずに買い損ねました。そして帰国後に計算したら、買った方が得でした

現行の中身(2026年7月時点のアプリ画面より)

項目内容
価格25,000ドン(約155円)
有効期間購入日から4週間
主なバウチャー空港ライド25%オフ×4回/全ライド10%オフ×8回/事前予約25%オフ×2回(各割引上限10万ドン)
そのほかGrabFood・GrabMartなどデリバリー系の割引も同梱
購入条件ベトナム国内利用限定・1渡航先につき同時保有1つ

注意点が2つ。バウチャーは自動では適用されません。

配車確定前に「Offers(オファー)」から対象のバウチャーを選び、「Use Now(今すぐ使う)」を押す手動方式です。
また、有効期間の起点は「購入日」なので、日本で早買いすると現地で使える日数が削られます。

買うなら到着後すぐが合理的です。

Grabトラベルパスの購入画面。25,000ドンでバウチャーの束が買える
購入画面。25,000ドンで割引バウチャーの束が手に入る(2026年7月時点)
トラベルパスの規約画面。空港ライド25パーセントオフ4回などの内訳
規約画面。空港ライド25%オフ×4回など、内訳はここで確認できる

損益分岐|「13回」の実測データを基に試算

パス代25,000ドンの元を取る条件を、実測データで逆算します。

  • 空港送迎を1回でも使うなら、それだけで即回収です。 僕の空港送迎は運賃部分が256,000ドン(通行料と海外カード手数料を除いた額)。ここに25%オフを当てると約64,000ドン引きです。パス代の2.5倍が、たった1回で返ってくる計算です(割引上限10万ドンの範囲内)。
  • 市内移動だけの場合も、全ライド10%オフを使って合計250,000ドン分乗れば回収できます。 1回約300円(約48,000ドン)の中距離移動なら5〜6回、1回約141円の短距離中心でも10回ちょっとで到達する水準です。

なお、これは2026年7月時点の現行パッケージ内容を、当時の13回の乗車実績に当てはめた仮定計算です。

僕の13回にフル適用して試算すると、割引総額は約96,000ドン。
パス代を引いても約71,000ドン(約440円)は安くなっていた計算になります。

4%手数料(約163円)を「保険料」と割り切った僕ですが、パスを知ってさえいれば、保険料を払ってなおお釣りが来ていたわけです。

結論|「知らなかった」が一番高くつく

まとめると、判断基準はシンプルです。

  • 空港からGrabで市内に入る予定がある買い(1回で回収)
  • 市内移動を8回以上する見込み買い
  • メトロ中心・Grabは数回だけ見送りでOK

僕のように買い損ねても、取りこぼしは数百円。金額そのものは小さい話です。

ただ、この記事をここまで読んだ方なら、155円のパス1つで「準備の詰めの甘さ」をまた1つ潰せるとも言えます。
到着してGrabを最初に開いたとき、ホーム画面で「Travel Pass」を探してみてください。

📌 ここまでのサマリ: トラベルパスは25,000ドンの割引パック。空港ライド1回か市内8回で回収。僕は買い損ねて約440円分を取りこぼした。買うなら到着後すぐ。

よくある質問(FAQ)

Q. 日本のクレジットカードって、結局Grabで使える?
A. 使えます。僕は13回全部、日本発行のVISAで決済できました。 ただし日本発行のカードは海外発行カード扱いのため、毎回4.0%の手数料が上乗せされます(13回合計で約163円)。

レシート13枚+カード明細13行の全26データポイントで、手数料は例外なく端数ゼロの4.000%でした。プロモーション割引がある場合は割引後の金額に対して4%です。「手数料無料」と書かれた古い情報も残っていますが、2025年11月時点の実測では全乗車に発生しています。詳細は決済の章をご覧ください。
Q. 英語もベトナム語もできないけど、Grabに乗れる?
A. 乗れます。13回の乗車で、会話が必要な場面はほぼゼロでした。 行き先は地図で指定済み、運賃は確定済み、支払いは自動。運転手さんとは挨拶だけで完結します。

合流場所の確認が必要なときも、アプリ内のGrabChatで定型文の選択と地図ピンの共有ができます。バイクの場合、乗車時にヘルメットを渡されるので受け取ってかぶる——やり取りらしいやり取りは、それくらいです。余談ですが、13回のうち2回ほど、日本で技能実習生として働いた経験があるという運転手さんに当たり、日本語で雑談しながら移動したこともありました。運の要素ではありますが、そんな出会いもあるのがベトナムです。
Q. Grabにチップは必要なの?
A. 基本不要です。僕は13回で一度も払っていません。 レシートにもチップの項目が登場したことはありません。

運賃は配車前に確定しており、降車時は「Cảm ơn(カムオン=ありがとう)」と言って降りるだけです。覚えておく現地語は、これひとつで足ります。ただし例外が1つあり、空港の通行料のようにGrabから「運転手と現地で精算してください」と案内される費用は正規のものです(決済の章で触れたとおり)。それ以外で現金を求められた場合は、応じる必要はありません。
Q. メーターのタクシーより高くない?
A. 僕の13回は、すべて配車前の表示額どおりでした。 「乗ってから金額が膨らむ」という従来型タクシーの不安が構造的にありません。

唯一の例外は空港送迎の通行料(9,000ドン)の扱いで、レシートとカード請求がその分だけズレました。それでも事前表示の運賃部分は1ドンも動いていません。需要の多い時間帯(雨天・深夜)は運賃自体が上がることがありますが、それも「乗る前に」表示されるので、高ければ見送れます。
Q. Grabの他にXanh SMやBeも入れておくべき?
A. 必須ではありません。まずGrab一本で大丈夫です。 日本のカードで決済まで完結するのがGrabの強みです。

Xanh SMは海外発行カードが登録できないという報告が多く、使うなら現金の用意が要ります。Beも含めて「現地で興味があれば試す枠」と考えるのがおすすめです。配車シェアの調査ではXanh SMがGrabを上回ったとするデータもあり、車両の質は高そうでした(僕は目撃のみ・未乗車です)。
Q. 現金はいくら持っていけばいい?
A. Grab移動だけなら、ほぼ現金ゼロで回ります。実際、僕の13回はすべてカード決済でした。 ただし屋台・市場など「現金の世界」用に、少額は必要です。

僕は日本から現金をほぼ持たず、現地ATMからWiseのデビットカードで必要な分だけ引き出す方式にしました。大金を持ち歩かないので、盗難・紛失時の被害上限も小さくできます。具体的な引き出し手数料の実測は、決済の章で紹介したWiseの実証記事にまとめています。

まとめ|僕のベトナム移動・決済・通信の全装備

大通りを走る複数のGrabBikeドライバー
移動の主役はやっぱりGrab。緑のドライバーは街のどこにでもいる

最後に、この記事の答えを1つの表に集約します。

移動の不安は、日本にいる間の3つの準備で消す——僕が10日間で確信した結論です。

準備装備・手段役割
①通信ahamo海外ローミング(長期はeSIM)着陸5分でGrabが開ける状態を作る
②決済クレジットカード(アプリ内決済)+Wise(現金調達)4%の「ぼったくり対策の保険料」で金銭トラブルを構造的に排除
③アプリ設定Grab登録+カード紐付けを日本で完了現地では「開いて呼ぶだけ」にしておく
(現地)トラベルパス25,000ドン空港1回か市内8回乗るなら到着後すぐ購入

数字でふり返ると、10日間・13回の移動でカード請求は計4,165円。
手数料は13回合計で約163円。

一方、詰めの甘さで払った白タクの授業料は約1,800円。

「仕組みに乗った移動」と「隙を突かれた移動」のコスト差が、これ以上ないほど分かりやすく出た10日間でした。

移動と決済以外の装備——バックパック、ガジェット、防犯グッズを含めた持ち物の全体像は、『海外ノマド持ち物完全ガイド』で装備リストとして公開しています。

ベトナムに限らず、東南アジア圏の旅の土台として使える構成です。

出発前の5分で、まずはアプリだけ入れておきませんか。

Grabアプリのアイコン

Grab:タクシーとフードデリバリー

公式アプリ・無料(登録は日本でOK)

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この記事を書いた人

社会人13年目のマーケター。10年超のキャリアでたどり着いた、働く精度を劇的に変える「本物」だけを厳選して紹介します。単なるガジェット好きではなく、ビジネスの現場で「勝てる装備」を追求する視点でレビューするメディアです。

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